「この政権、とんでもないところに手を出してきた」 学術会議任命見送られた松宮教授

■「任命拒否できる権限」は間違い  ―官房長官会見では学問の自由については「法律上、内閣総理大臣の所轄であり、会員の人事を通じて一定の監督権を行使するのは法律上可能。その範囲内で行っているので、ただちに学問の自由の侵害にはつながらない」としている。  学問を監督しようと言っているが、それが自由の侵害ではないか。もう一つ言うと、ほとんど同じ構造をもっている条文が憲法6条1項にある。天皇の国事行為だ。「天皇は、国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命する」とある。日本学術会議法では「学術会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命する」。主語と述語は入れ替わるが、同じ構造だ。ということは官房長官の言い方だと、国会が指名した人物について天皇が「この者は駄目だから任命しない」と言えることになる。同じ理屈だ。つまり任命権があることを、「任命が拒否できる権限もある」というふうに思うのは間違いなのだ。

この人の言うことは理にかなっている。
そして自公政権の本質を物語っている。公明党は、ブレーキ役というよりせいぜい、オオカミにヒツジの皮をかぶせたぐらいである。
なお、首相の解散権についても同じことが言える。
解散は天皇の国事行為であることを7条で定めているが、国事行為とが形式的儀礼的なものである。そして、「内閣の助言と承認」に基づき行われるのだが、その内閣の長が総理大臣だから、総理に解散権があるというのだ。とんでもない牽強付会である。
69条に解散の条件や手順が具体的に書いてある。そして、国民の象徴として天皇詔勅を読み上げるわけである。
形式的・儀礼的国事行為に「助言と承認を」与えることが、首相の伝家の宝刀などと馬鹿げた表現をする・解散権の根拠には到底なりえない。しかしこれが罷り通っている不思議な法治国家だ。