#経腸栄養中の体位についての回答されない疑問

経腸栄養中は、逆流防止のため座位か、ベッド上でも30度以上90度までとされている。これは理の有ることである。

しかし、経腸栄養をやっている者は嚥下不能か嚥下機能低下している者である。

高ギャッジアップすれば、当然唾液等が食道・気道分岐点当たりにも滞留する。気道を塞げば窒息だし、気道に流れれば誤嚥である。肺炎にもつながる。

現に高ギャッジアップでは、水っぽい唾液よりも、白い粘着な痰が上がってくることが多い。痰についても十分な納得できる説明がないが、気道から上がってくるもののはずである。食道からではない。そして何らかの炎症の結果を示したものである。そうすると、白いとはいえ、多量に増えることは気を付けるべきだろう。

では、低ギャッジアップでよくみられる、透明な唾液上の痰はどうだろう。これは、文字通り口腔内の唾液の分泌が飲みこめず口腔内や喉元に滞留したものであろう。

炎症に至ったものではないが、窒息や誤嚥性肺炎を引き起こすことを考えればこまめな吸引が必要であろう。

結局何が言いたいか。

唾液や痰上がりをもって、在宅医師や訪問看護師は、腸管の処理能力の衰えを言っているようだが、これはもっぱら嚥下の問題であるということだ。

更に腸液交じりの経腸栄養液の逆流をもって処理の応力の低下を言うが、それは確かに理があるが、これも他の要因、体位や速度、イレウスや便秘の存在という要因を考える必要がある。また、母の場合、猫背や噴門がないか解放しっぱなし(胃切除)で逆流しやすいこともある。

簡単に処理能力が落ちているという言葉で済ませることに、在宅医師の不誠実さを感じる。たとえそうだとしても、丁寧に説明すべきだ。

最初から最後まで、終末期の心構えみたいなことばかりしか言わなく、診察や検査もしない在宅医など不要だ。