療養病棟は入れるべきではない。レスパイトであっても。

ここへ来て、1週間経たないのに、隣と向かいの個室入院者がなくなった。前回は隣、看護師がこちらの車椅子介護をしてくれていたときに、「わたし看取りせんなん」と軽く言って隣室に戻った。その後しばらくして同日なくなったようだ。家族か親類が3名ほど来ていたが臨終にいたかは不明。いなかったようでもある。向かいの人は、今日昼ごろなくなった。これも家族が一人だけ来ていた。看護師二名が淡々と運び出し部屋の整理もしていた。これも臨終にたちあったかは不明。家族が泣き叫ぶわけでもなく誰も気づかないかと思うほどの静かな風景であった。

葬式はわからないが、それなりの歴史を持つであろう長い人生の終幕の一瞬としては、あまりに寂しく事務的だ。

療養病棟の個室というのは、看取り場所だと言うことがわかった。母を個室に入れるのもそういう見通しをつけてのことか、嫌がらせか、単なる空き室の不在か。相部屋でもヤバそうな人はいる。空いていた隣室に、多分相部屋から人が移ってきた。そう云う人が相部屋に待機しているのかもしれない。面会する時ナースにことわりが必要と表示されている人はやばいと言って良い。それではあのH氏もやばいのか。元気そうだったのに最近はうつろである。ここにおらせたくはない病棟だ。勿論職員がどうのこうのと入っていない。むしろ、タフな精神力がなければやっていけない気がする。

療養病棟の焼き直しである介護医療院も同じだ。多分特養も。こういうところの住人に対し、医師も看護師も介護師も療法師も皆冷淡なのである。割り切っていると言うか。主治医位のYしだ医師の話は図星であった。ただし、ここいらには、医療すらも殆どない。看護師と介護師のルーティンがあるだけだ。