世界各国の保健政策の立案・実施支援を行ってきたキングス・カレッジ・ロンドン教授の渋谷健司氏だ。厚生労働省の会議で座長・委員、大臣のアドバイザーなどを歴任。WHO事務局長上級顧問も務める、公衆衛生・感染症対策の第一人者

“今やらないと感染者が急増し、医療も崩壊するし、社会が混乱する”という危機感をきちんと共有せず、“これはロックダウン=都市封鎖ではない”“今までとあまり変わらない”と言ってしまうのはコミュニケーションとしては逆効果なので残念だ。“家にいてほしい、運動もできる”、という強力なメッセージが必要

渋谷氏は「何度も言うが、基本的にはスピード勝負だ。日本で報告されている感染者数はあくまで氷山の一角であって、見つかっていない感染者、症状のない感染の方がたくさんいる。結局は検査をしていない人が病院来て、そこから院内感染、市中感染が広がり、医療崩壊の危機につながっている。“検査をするから医療が崩壊する“というのはおかしいし、医療従事者を守るためにも検査を早急に拡大しなければならない」