#老いの福袋・樋口恵子・読了・高齢者を見捨て置き去りにする社会に若者は希望を持てない

良い本だと思う。特に80以降の福袋が響いた。

今の時代が閉塞的なのは、若者に希望がないからだけではない。

世界に類を見ない超高齢化社会にも拘らず、高齢者・超高齢者に希望をもたせらない・幸せをもたらせられない社会であるからだという主張には目からうろこである。

自分の親が、超高齢化し。介護が必要になっていく過程を通じて、高齢者や障碍者が、まず医療の中で地域包括ケア病棟とやらの丸め込みの低額医療に押し込められ医療を節約され、更に介護に切り捨てられていき、最後には、在宅医療という名の(コロナ騒動に見るような)自宅療養という看取り終末期に追いやられていく姿を確実に見てきた。

これは社会的弱者である高齢者や障碍者の見取りではなく見棄て・置き去りである。

高齢者は若者の未来である。その未来がこのような姿ではどうして希望が持てよう。にもかかわらず。社会は、高齢者や障碍者は延命などせず・積極的医療をせずとっとと死んでほしい、社会的に用のなくなった人々は、安楽死でも尊厳死でもいいからとっとと死んで社会的リソースを無駄にしないで若者にまわせというなど、世代間を分断するポピュリズムが蔓延してきた。

若者は気づいてほしい。高齢者が棄民される社会は、自分たちの未来が棄民されていることを。それから、医旅費の増大は高齢者が原因ではないことを。医療関係者や薬剤関係者が限られた健康保険のパイを様々な形で分捕った結果であることを。