#1リットルのいのち

母は、現在1リットル前後の水分を含む経腸栄養液で2年半近く命をつないでいる。

当初は、200mlに1gの塩分を溶かした白湯、ツインライン300ml、フラッシュ60mlを一食分としていた。つまり1.5リットル以上入れていたのだが、今年の3月の誤嚥性肺炎で、N赤で白湯がかう100mlに減らされ、10月の入院で、とうとう、水分追加はなくなり、ツインライン一日計800mlと、フラッシュ計180mlとなった。結局、枯れさせていくのだろう。

訪問看護師の管理者は、本当の意図は分からぬが、私の考えを慮って、ポートへの移行を提案してきた。MI中央病院医師たちは反対した。まだ腸が使えることと倫理的な面から。

地域のリーダーが脳腫瘍を起こし、地元の大学病院という最高の医療の場で手術を受け成功したということだったが、術後のコミュニケーションが取れなくなり(発語やや筆記が支離滅裂)、妻は殆ど誰とも合わせなくしている。主人の姿を見ていると惨めな気持ちになるという。彼の体は基本健康体である。

私には、ぜいたくな話だと思う。みんな、我が家を敬遠しているから、私の親がどんな状態で私が日々どんな苦しい思いをしているか知らないのだ。私の母の姿から見ればどんなにマシか。また彼女には成人した子供や家族もおり、助けがあろう。天涯孤独の私とは雲泥だ。

他社への想像力を欠くんだろうなあ。私の親も惨めだとみていたんだろうなあ。