#私は何を望んでいるのか

母の永遠の生存か。それは不可能だ。

私が死ぬまでの母の生存か。それはあまりに残酷過ぎよう。

そんなことではない。

愚直に懸命に生きた人が、それに報われた人生の終わり方であって欲しいだけだ。

もう、3年近くも寝たきりで未来への希望もない、正を待つだけのしかも苦痛を伴う生。所願満足が約束されていたのではないか。

どんなに思考しても生命は永遠だとは思えない。私は私の肉体とともに消え去る。

前の猫の遺体は家の庭木の下に埋めた。もはや骨だろう。その猫の生命はどこにもない。残っていたら物体としての骨くらいだろう。それは、その時活きていた猫ではない。